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経営通信2020年9月号「売掛金の時効が2年から5年に長期化します!」

売掛金の時効が2年から5年に長期化します! ~管理と回収方法を再確認しよう~

消滅時効期間が統一されました

改正前の民法では、債権の消滅時効を10年とし、短期消滅時効として職業別に製造業・小売業などの売掛債権を2年、宿泊料・飲食代金を1年、建築請負工事代金を3年などと規定していました。改正民法では、これらの短期消滅時効の制度をすべて廃止し、併せて商法における商行為の時効5年についても廃止し、消滅時効を次のように統一して、いずれか早いほうが経過した時に請求する権利が時効により消滅することとしました。

①債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から5年
②債権者が権利を行使することができる時(客観的起算点)から10年

一般の商取引においては、債権者・債務者がお互いに契約内容を知っていることから、消滅時効期間は、主観的起算点から計算することが多くなります。したがって、少なくとも5年間は請求に関する記録を保管する必要があります。

売掛金管理の徹底と早期回収を図ろう

売掛金の時効が2年から5年に長期化したからといって、売掛金の管理をきちんとせず、何の対策もとらずに放置すれば回収可能性が低くなります。
いくら売上を上げても売掛金の回収をおろそかにすると、資金繰りに支障をきたし、企業は立ちゆかなくなります。
民法の改正を機に、自社の売掛金管理や回収の方法について再確認しましょう。
納品後の「翌月末払い」「翌々月末払い」など取引条件どおりに売掛金が入金されていれば問題はありませんが、3か月以上前の売掛金が入金されていないといったことはありませんか。「売掛金年齢調べ」などを実施して、回収が遅れている得意先とその営業担当者を確認し、回収不能になる前に早期に対策を立てましょう。

時効の完成猶予・更新

売掛金の回収は日頃の管理によって、本来、きちんと回収すべきですが、万一、時効期間が満了する可能性がある場合には、債務者に債務を承認させる等の方法で、それまで進行していた時効期間の完成を遅らせ、振り出しに戻す必要があり、これを時効の完成猶予・更新といいます。債務者が任意に債務を承認しない場合に、時効を完成猶予・更新するには、訴訟の提起等の法的手続が必要です。

(1) 裁判上の請求等

「裁判上の請求」とは、金銭の貸主が返済しない借主に対し裁判を提起する等の「訴え提起」が代表例です。

(2) 催告

催告とは、裁判外の方法で債務者に対して履行を請求する債権者の意思の通知をいい、内容証明郵便などで催告書を送付する方法が一般的です。改正民法では、催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間は、時効の完成は猶予されます。

(3) 承認

承認とは、時効の利益を受ける当事者が時効によって権利を喪失する者に対し、その権利が存在することを知っている旨を表示することをいい、「債務の一部弁済」が代表的です。改正民法においては、権利の承認があった時は、時効が更新され、その時から新たに時効期間が進行します。

協議を行う旨の合意による時効の完成猶予

改正前の民法では、当事者が権利をめぐる争いを解決するための協議を継続していても、時効の完成が迫ると、時効の完成を阻止するためだけに、訴訟提起や調停申立て等を行う必要がありました。しかし、訴訟によって勝訴判決を得ても、相手からの支払いがない場合、事実上銀行口座が判明しない限り強制執行はできません。そのため、債権回収の観点からすると、非常に非効率です。
改正民法では、「協議を行う旨の合意による時効の完成猶予」が新設され、書面又は電磁的記録(eメール)により、当事者間において権利についての協議を行う旨の合意がなされた場合には、時効の完成が猶予されることになりました。

◎ 猶予される期間

①合意時から1年経過時
②合意において1年未満の協議期間を定めた場合はその期間の経過時
協議を行う旨の合意により時効の完成が猶予されている間に、再度の合意がなされれば、その合意の時点からさらに猶予されますが、本来の時効が完成すべき時から通算して5年を超えることはできません。

出典 TKC事務所通信
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