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ベイヒルズ社労士事務所便り2020年10月号「9月から複数事業労働者向けの労災保険給付が始まりました」

9月から複数事業労働者向けの労災保険給付が始まりました

◆改正の趣旨

これまでは、複数の会社で働いている労働者の方について、働いているすべての会社の賃金額を基に保険給付が行われないこと、すべての会社の業務上の負荷(労働時間やストレス等)を合わせて評価して労災認定されないことが課題でした。
このため、多様な働き方を選択する方やパート労働者等で複数就業している方が増えているなど、副業・兼業を取り巻く状況の変化を踏まえ、複数事業労働者の方が安心して働くことができるような環境を整備する観点から、労働者災害補償保険法が改正されました。

◆改正の対象者

今回の改正制度の対象となるのは「複数事業労働者」です。「複数事業労働者」とは、被災した(業務や通勤が原因でけが・病気・死亡した)時点で、事業主が同一でない複数の事業場と労働契約関係にある労働者の方のことをいいます。
被災した時点で複数の会社について労働契約関係にない場合であっても、その原因や要因となる事由が発生した時点で、複数の会社と労働契約関係であった場合には「複数事業労働者に類する者」として、改正制度の対象となります。また、労災保険に特別加入している方も対象になります。

◆改正内容

①複数事業労働者の方への保険給付が、すべての働いている会社の賃金額を基礎に支払われるようになります(これまでは災害発生事業場での賃金額しか保険給付の基礎とされていませんでした)。

②新しく複数の事業の業務を要因とする傷病等(負傷、疾病、障害または死亡)についても、労災保険給付の対象となります。新しく支給事由となるこの災害を「複数業務要因災害」といい、対象となる傷病等は、脳・心臓疾患や精神障害などです。
複数事業労働者については、1つの事業場のみの業務上の負荷(労働時間やストレス等)を評価して業務災害に当たらない場合に、複数の事業場等の業務上の負荷を総合的に評価して労災認定できるか判断します。これにより労災認定されるときには、上記の「複数業務要因災害」を支給事由とする各種保険給付が支給されます。

1つの事業場のみの業務上の負荷を評価するだけで労災認定の判断ができる場合は、これまでどおり「業務災害」として、業務災害に係る各種保険給付が支給されます。なお、この場合であっても、すべての就業先の事業場の賃金額を合算した額を基礎に保険給付されます。

③新設の複数業務要因災害については、メリット制(各事業場の業務災害の多寡に応じ、労災保険率または保険料を増減させる)には影響しません。一方、複数事業労働者の業務災害については、業務災害が発生した事業場の賃金に相当する保険給付額のみがメリット制に影響します。

新型コロナウイルスと整理解雇

◆予断許さず

新型コロナウイルスについては、指定感染症からは外す方向で議論が進められるようです。しかし、すでに痛手を負っている企業も多く、今後倒産や解雇の波が時間差でやってくることも予想されます。また、冬に向けて感染者のさらなる増加や、別のウイルス等による感染症の発生なども考えられます。今は何とか持ちこたえている企業でも、今後の状況次第で正社員の整理解雇等を検討せざるを得なくなるかもしれません。

いくら「緊急事態だから」と言ってみても、裁判例上は、新型コロナウイルスによる業績の落込みは、天災地変等のやむを得ない事由ではなく、経営上の理由による解雇と扱われる場合がほとんどと思われます。正社員の整理解雇は、厳格な要件(要素)で判断されます(整理解雇の4要素)。

◆可能な限り解雇を回避する

この4要素の一つとして「解雇回避努力義務の実行」があります。整理解雇の実施にあたっては、可能な限り雇用を確保(解雇せざるを得ない場合でも労働者の負担をなるべく軽減)するべく、準備しておくべきです。
・転勤・出向等による異動
・休業手当を支払い、自宅待機等を命令(一時帰休、再就職支援休暇など)
・休業手当相当の退職一時金を支払い、雇用契約を合意解約
・訴訟となるリスクを考慮しつつ、退職金の上積み等を提案し、退職勧奨というような方策が考えられます。

◆就業規則等の確認を

また、そうした方策をとる前提として、一時帰休の際の賃金の扱い(休業手当相当額を減額する規定)、コロナ等の事態が発生した場合の整理解雇があり得ること等は、就業規則や個別の労働契約に明記しておくことが重要です。

コロナ等による整理解雇に備え、説明資料や社員の説得のための資料なども、事前に準備しておくべきでしょう。

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