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FP通信2024年4月号「中小企業のための従業員退職金制度 」

中小企業のための従業員退職金制度

中小企業の従業員退職金の水準

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情」によると、定年まで勤めた場合の退職金の水準は、次のように公表されています。

従業員退職金の準備

従業員の退職金は安全に保護するという観点から、運転資金とは分けて外部に積み立てをするのがお勧めです。税制面のメリットがある次の制度を利用するのが有効です。

退職金の積立の制度

中小企業で一般的に導入されている制度はこちらです。

    • 中小企業退職金共済(中退共)
    • 養老保険福利厚生プラン(ハーフタックスプラン)
    • 企業型確定拠出年金(DC・401K・企業型iDeCo)
    • 確定給付企業年金(DB)

中小企業退職金共済(中退共)

国が作った中小企業の従業員の為の退職金制度で、知名度はとても高いです。掛金は全額損金算入で5,000円~30,000円。新規導入は国からの補助が1年間あります。

中退共の注意点

1年未満で従業員が退職すると掛け捨てになること、懲戒等の社員にも支払いがされてしまうこと、退職金の手続きは従業員が自分で行うのでありがたみがなくなる場合があることにはご注意ください。また、役員は加入できないので、役員は別の制度で積み立てをする必要があります。

養老保険の福利厚生プラン(ハーフタックスプラン)

生命保険なので保障があります。死亡保険金は死亡退職金として遺族へ、満期保険金・解約返戻金は会社が一旦受取って、退職金として渡してあげる事ができます。掛金は1/2損金で、役員も一緒に加入することができます。

ハーフタックスプランの特徴

早期に亡くなってしまった場合でも満額を遺族へ渡してあげられるのは大きなメリットです。また、懲戒等問題を起こして辞めた社員に対しては、渡さない・金額を減らす等、会社の意向を反映できるので、とってお勧めです。

ハーフタックスプランの注意点

加入時に診査があり、体況等で加入できない人には別の方法を用意する必要があります。また、早期解約は積立額が少ないので、定着率が上がる年次から対象にする等の制度設計が有効です。円建ての他に利率の良いドル建て、投資信託等で運用する変額保険などもあります。

企業型確定拠出年(DC)

掛金とその運用収益の合計額をもとに将来の給付額が決まる年金制度で、「貯蓄から投資へ」という昨今の風潮にあっている制度です。役員も加入できます。掛金は全額損金算入です。

DCのメリット

給料天引きで拠出すると、社会保険料の軽減効果があります。将来の受取額は運用次第で増える可能性があり、夢がある制度です。毎年の投資教育で、会社が掛金の拠出をしている説明をすれば従業員にアピールができます。

DCの注意点

60歳以上の一定の年齢まで取り出しができません。ただし、老後の資産形成という目的にはとてもあっています。

確定給付企業年金(DB)

あらかじめ給付額が確定している年金制度で役員の加入も可能です。会社負担分の掛金と経費は全額損金。

DBの注意点

資産運用は金融機関が行い、積み立て不足がある場合は、会社が補填する必要あります。額面が決まっているので、将来のインフレに対しては対応できない可能性があります。

制度の導入について

今回は従業員退職金制度をご案内しましたが、制度にはメリットの他にデメリットがあったり、各会社の状況や今後の経営計画も含めて考慮する必要があります。実際に導入をご検討する場合は専門家にご相談ください。

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