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FP通信2025年6月号「福利の力を活かす、計画的な資産形成とNISA活用」

福利の力を活かす、計画的な資産形成とNISA活用

アインシュタインも驚嘆した「福利の力」で、着実な資産形成を

「人類最大の発明は“福利”である」

これは、かのアインシュタインが語ったとされる有名な言葉です。物理学者が“お金の増え方”について語ったことに意外性を感じる方もいるかもしれませんが、長期的な資産形成において、福利(ふくり)の力はまさに“科学”と呼べるほど強力なものです。

福利とは、運用によって得られた利益が元本に組み入れられ、その利益にもさらに利益がつく仕組みです。たとえば100万円を年利5%で運用すると、1年後には105万円になります。単利であれば2年後は110万円ですが、福利なら110万2500円。年数を重ねれば重ねるほど、この差はどんどん広がっていきます。

目的から逆算する「ゴールベースアプローチ」

では、この「福利の力」を実生活にどう活かせばよいのでしょうか? その鍵となるのが、ゴールベースアプローチという考え方です。

これは「とにかく増やす」ことを目指すのではなく、「将来の目標(ゴール)から逆算して資産運用を考える」方法です。たとえば、「子どもの大学進学に備えて10年後に300万円必要」「老後の生活資金として20年で2000万円を準備したい」など、目的に応じて期間やリスクの取り方、運用手法を組み立てていきます。

このアプローチを採用することで、漠然とした「なんとなく貯めなきゃ」という不安が、「計画的な資産形成」へと変わっていきます。特に経営者の方にとっては、事業資金と私的資産を分けて考えることが重要であり、ゴールベースアプローチはその整理にも役立ちます。

NISAで福利の力を最大限に活かす

ここで注目したい制度が、「新しいNISA(少額投資非課税制度)」です。2024年から大きく改正されたこの制度では、年間最大360万円、累計1800万円までの投資が非課税で行えるようになり、投資初心者にもやさしい仕組みとなりました。

特に長期・積立・分散投資に適した「つみたて投資枠」は、まさに福利の力を最大限に活かせる制度設計になっています。定期的に一定額を積み立てていくことで、時間の分散によるリスク軽減効果(ドルコスト平均法)も期待できます。

さらに、NISAの特徴は「売却しても枠が復活する」という点。これにより、ライフステージに応じた資金の入れ替えがしやすくなり、ゴールベースアプローチと非常に相性がよい制度となっています。

もちろん、投資には元本割れのリスクも伴います。しかし、しっかりと目的を定め、計画的に資産を積み上げていくことで、そのリスクをコントロールすることは可能です。逆に、銀行預金だけに頼った資産形成は、インフレによる「実質的な目減り」という別のリスクを抱えることになります。

アインシュタインが称賛した「福利の力」は、時間を味方につけてこそ真価を発揮します。資産形成は一足飛びに成果が出るものではありません。しかし、小さな積み重ねがやがて大きな実りを生むことを、科学的にも歴史的にも証明されているのです。

将来に向けて、まずは「何のために」「いつまでに」「いくら必要か」を明確にすることから始めてみましょう。そして、NISAなどの制度も活用しながら、福利の力を味方につけた資産形成をスタートしてみてはいかがでしょうか。

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